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最高裁判所第二小法廷 昭和27年(オ)1252号 判決 1954年11月26日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人八島喜久夫の上告理由について。

所論買収計画は、原判示目録第二記載の宅地につき、内(1)の二二〇坪は訴外天野政芳の賃借分として、(2)の二四一坪は訴外増子弘政の賃借分として、立てられたものであり、右は天野政芳、増子弘政がそれぞれ上告人から賃借して、地上に住宅物置等を建設しその他農業用施設を施して現に賃借人等において使用中の宅地について買収計画の定められたものであることは、右買収計画ならびにその公告からして十分に推知せられるところである(原判決は、右賃借権の範囲が右宅地の範囲外に亘ることを認定すべき証拠はないとしている。また上告人は右宅地が上告人賃貸の範囲外に亘ることを主張した形迹もない)とすれば、右買収計画を立てられた土地はこれにより一応特定せられるものと解すべきであつて(上告人は、右公告により自己所有のどの土地につき買収計画が立てられているかを知ることができる)右公告に図面の添付がなく、従つて買収せらるべき土地の範囲を正確に知ることができないとしても、それがために買収計画自体を違法とすることはできない。(当時なお分筆されていない地番号を付したことも右認定の妨げとなるものではない)所論当裁判所の判例は買収処分に関するものであつて本件に適切でない。論旨は採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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